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兵庫県・西宮神社とえびす様を紹介!

兵庫県・西宮神社と謎の神【えびす様】

皆様、こんばんは。本日は神戸の旅の思い出から、西宮神社さまを紹介いたします。商売繁盛の神様や、関西の寺社巡りに興味のある皆様に特に役立つ内容でございますよ。

よろしくお付き合いくださいませ。

▼目次

 

(初稿:2019年12月21日)

 

えびす総本社・西宮神社とは

西宮神社さまは、全国のえびす様の総本社といわれる神社。3つの屋根が連なる三連春日造りの珍しい社殿でも知られています。

あるいは「福男」選びのため、早朝に参列した男性たちが開門と同時に走り参りをする神社、といえばピンと来る方もおられるでしょうか。

平安時代の後期頃には、すでに複数の文献に登場するそうで、創建はこれ以前と考えられているそうですよ。

ご由緒によれば、こちらのえびす様は、大阪湾の向こうから現れたとされます。もともと、地元の漁師さんがお祭りする神様であったといわれており、こうした縁起からか漁業の神様として長らく信仰されていました。

えびす様の神社では、十日えびすと呼ばれる市場が立つように、商売の神様としても全国的に篤い信仰を集める神様です。

 

えびす様には謎がいっぱい!

西宮神社さまの御祭神であるえびす様は、色々な伝説を残す不思議な神様です。七福神にも選ばれている人気者なので、名前は知られているものの、実は神様の正体は謎に包まれているのですね。

一般的には、えびす様といえば2つの系統があるといわれています。その2つとは、古事記に登場するヒルコ神と事代主神(ことしろぬしのかみ)のこと。

つまり、えびす神社といっても、実際には別の神様が祀られている可能性がある訳ですね。

具体的には次の2つの神様が、時代を経るにつれて混同されたのではないか、といわれています。

【その1】ヒルコ系のえびす様

えびす様の系統のうち、ひとつ目はヒルコ神と呼ばれるタイプの神様。

ヒルコ神はイザナキとイザナミの最初の息子として生まれました。しかし、国生みの試行錯誤を重ねる段階で生まれた子だったのでうまく成長することができず、夫婦神は仕方なくヒルコを海へ流した、という伝説があります。

実際、えびすの字は漢字で「蛭子」と書きますよね。この字は、ヒルコ系のえびす様が、蛭(ひる)のように足腰が立たない発育不全の子どもだったことを表しているのだそうです。

海に流されたえびす様が、別の土地にたどり着いたという伝説は日本各地に残っているといいますが、これは全国を練り歩く放浪民の神様として信仰されたことにも関係がある、との説も。

こうした信仰が生まれたのは、放浪して歩く芸能民の様子が、海を漂流するえびす様の姿を連想させたことと関係がありそうですね。実際、放浪した芸能民たちが、行く先々で自分たちの神様の伝承を語ったことも、えびす様信仰の広がりを促したのでしょう。

それから、これは全く意外な説ですけれど、ヒルコ=日る子とする見方が発表されたこともありました。名前の音から、太陽の子とも読み取れるために、もともとは太陽神と関係があったのでは?とされたそうですよ。

 

【その2】事代主系のえびす様

一方、事代主神は出雲の大国主命の子孫とされる神様。

古事記の国譲りの場面には、大国主命の2人の息子が登場しますが、いずれも武御雷神(たけみかづち)という天津神の使者に向かって、国譲りのOKを出したと伝わっていますよね。

古事記では、武御雷神に「父の大国主が、国譲りをすることに同意するか?」と迫られた事代主神は、これを承諾したことになっています。そして、そのまま逆さまに柏手を打つと、青い柴の垣根を巡らせた船に閉じこもり、自ら死を選びました。

それが今の島根県と鳥取県の間にある、美保という場所だったので、こちらにも異なるタイプのえびす総本社として、美保神社さんという神社が残っています。

事代主神を従えた後、武御雷神はもうひとりの大国主命の息子・建御名方神(タケミナカタノカミ)にも、国を譲るように迫りました。最終的に、武力で負けた建御名方神は諏訪に逃げたとされ、この時のエピソードは現在の諏訪大社にも語り継がれていますね。

 

西宮神社へのアクセス

  • 阪神西宮駅から徒歩5分
  • JRさくら夙川(しゅくがわ)駅から徒歩10分

西宮神社さんへ公共の交通機関で行く場合、阪神西宮駅が最寄り駅となります。ただし、神戸の他の有名な神社仏閣から離れた位置にあるため、できればレンタカーなどで移動する方が便利そうでした(駐車場あり)。

徒歩で行く場合、神社の東側と南側にしか門がないため、お気を付けください。境内の西側と北側が天然記念物指定の森になっているので、こちらから行ってしまうと塀に囲まれて遠回りが必要になります。

阪神電車の西宮駅から歩く場合は、商店街の先にある通称えべっさん筋という通りから、更に少し奥へ進まないと社殿が見えません。えびす様の飾りや燈籠が出ているので、これを目印に入口を探すと良いと思われます。

 

西宮神社周辺の見どころ

残念ながら、西宮神社さんの周辺には他の有名な寺社は少ないです。このため、有馬温泉や六甲方面の観光とセットにするか、三宮駅まで戻れば生田神社さんも駅から近くにありました。

あるいは、神社仏閣にこだわらないのであれば、有名なお菓子屋さんや洋食屋さんならば各地に名店があります。

西宮から阪神電車で2駅のところにある芦屋まで行けば、アンリ・シャルパンティエさんというクレープの名店があり、喫茶コーナーでお菓子をいただけます。

看板メニューのクレープ・ジュゼット(オレンジ風味のクレープ)は、注文すると移動式の調理台とともに登場した店員さんが、お店の由来を語りつつ、目の前でソースをフランベしてくださるサービスがありました。

移動に困らないようであれば、グルメスポットとして近隣まで足を延ばしても良いかもしれません。

 

パワースポットとしての西宮神社は?

さて、ここからはスピリチュアルな話題や、パワースポットなどがお好きな方向けの内容ですので、興味のある方のみお付き合いいただければ幸いですよ。

西宮神社さまに初めてお参りした時、私が最初に思い浮かべたのは、濡れ手に粟(あわ)という言葉でした。

欲しいもの、必要なものがある時に、棚から牡丹餅のようなご縁を引き寄せてくださる印象です。あるいはエビで鯛を釣るとも言うように、小さな福におまけを付け、大きくしてくださる神様ではないかと思います。

例えば、新しい仕事を始めたいけれど、何から始めれば良いか分からない時や、お店を出したいけれど良い物件が見つからない時など。欲しいところに釣針を投げ、引き寄せてくれるようなパワースポットではないかと思いました。

私が参拝した日は、菊祭りの頃でした。

 

えびす様のスピリチュアルな話

読者様から最もよくいただくご質問の中に、名前が同じであれば鎮座されている神様は同じ方なのですか?というものがあります。結論から申しますと私自身は、同じ役職についている別人のようなもの、と人間の世界に例えて受け止めています。

先に紹介しましたように、えびす様を祀る神社には神戸の西宮神社さまと、鳥取県の美保神社さまの2カ所が存在しています。

両方とも参拝してみた印象では、ご由緒も異なっているとおり、違う神様がいらっしゃる場所と感じました。

立地の条件もあるでしょうけれども、美保神社さまの方が、海・船・航海のように自然と関係するパワーが強いようです。これは美保神社さまのある土地が、港町としての歴史が長いことと関係しているのかもしれません。

同じえびす様でも、西宮神社さまの場合は、人里の中で信仰されて来た神様であるせいか、地域の鎮守様の性質がハッキリしていたように感じました。簡単に言うと、人間の身近な願い事を受けるのに慣れている、ということですね。

ちょうどホームページのリンクを辿るようにして、必要なものへとご縁を飛ばして行ってくださる神様。それが西宮神社のえびす様である、と私は感じましたよ。

 

以上、西宮神社さまの参拝日記でした。

本日も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!

タグ: 金運

コメントを開く (2)

  • こんばんは。がみおです。西宮神社の話、面白かったです。私は、神戸に住む前は、西宮在住でしたので、毎日、神社参詣を朝、散歩がてらしていました。福男の神事も有名ですよね。正月の風物詩になっていますよね。わたしは、折角なので、3回通勤前に走りました。境内前にいる人達は、前日に抽選してるんです。わたしは、境内から、すごく離れたところからのスタートでしたので、福男がゴールしてもまだ、境内外でした。福男神事は、走ってみると、すごい高揚感に包まれます。西宮神社では、その他にも、毎朝。万度祓いが、行われていて、神職の方と本殿で、祝詞を唱える事ができます。参加するとラジオ体操のように、証明書をいただくことができ、100枚溜まると景品が、貰えます。私は80回位しか行けませんでしたが、本殿での祝詞は、、何か爽快感が、ありましたよ。西宮神社、素敵な神社です。

    • あけましておめでとうございます!
      帰省から戻る電車で風邪をもらってしまい、またブログを放置にしてしまいました。お許しください。

      実際に走った方の体験談、面白くていいですね~。
      私も男性だったらチャレンジしてみたいところですが、運動神経悪いのでビリかもしれません(笑)
      神戸の神社めぐりをしていると、どこも本当に地域の方からの敬愛の念に恵まれていて、うらやましいなあと思いました。

      本年もよろしくお願い致します。