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京都ツアー報告・貴船&鞍馬編

上:鞍馬寺へと続く木の根道

京都ツアー報告・貴船&鞍馬編

皆様、こんばんは。

今日は前回に引き続き、京都ツアー3、4日目に訪れた貴船神社と鞍馬寺について紹介したく存じます。

これから参詣しようという皆様の参考となれば幸いです。よろしくお付き合いくださいませ。

上:鞍馬寺へと続く木の根道

▼目次

(初稿:2019年11月16日)

鞍馬寺へ山歩きの最新情報

鞍馬寺を訪れるコースを実施したのは、3日目のみ。貴船神社とセットで終日のご案内と致しました。

最近は、ガイドブックでも鞍馬~貴船の山歩きが、定番の観光コースとして紹介されるようになっていますね。

定番の順路ですと、鞍馬から入って貴船へ抜けることになっていますが、実はこれだと伝統的な道順と逆になってしまうそうです。

これは、鞍馬山も山伏の修行場になってきたからで、もっとも急勾配になる貴船側の斜面を、あえて登ることで鍛錬としていたからです。

私たちのツアーは巡礼が目的ということで、今回もキツイ方の順路から、皆様に頑張っていただきました。

奥の院魔王殿にたどり着いた時には、息があがってしまう場面もありましたが、その後はすがすがしい山内の空気を楽しみながら進むことが出来ました。

上:奥の院魔王殿

魔王殿は、古来より神々が降りるとされてきた、磐座のうえに建っています。護法魔王尊が降臨した伝説も、語り継がれて来た神話になぞらえてのことなのかもしれません。

なお、あまり知られていませんが、貴船にも禁足地となっている山上に、神の降臨したという鏡岩があるそうです。

似通った伝説が残っているのは、鞍馬寺が修験道の霊場として、今も神仏習合の伝統を受け継いでいることの証なのかもしれません。

山内は、丸ごと鞍馬寺の修行場になっており、本来は大杉権現堂の周辺が瞑想道場になっていました。なっていた、というのは現在、大杉権現のお堂が大破してしまったからです。

ここのところの台風のせいか、山内にはなぎ倒された大木が大量に残され、大杉権現堂も倒木で潰されてしまったようでした。

上:大破する前の大杉さん。今は、台座の石畳を残すのみ。

一応、参道は確保され歩けるようになっていましたが、土砂の流れ出した跡も生々しく、これから訪れる皆様は、なるべく天候のよい地面が乾いている日の参詣をお勧めいたします。

ちなみに本記事の最初の画像は、台風前の木の根道の様子。今回の参加者様に、昔と今で土の深さが違うと分かっていただけるよう、2017年の写真をアップしてみましたよ。

貴船~鞍馬を歩く場合、通常の所要時間は80分程度とされいます。私たちのツアーでは休憩やガイドを挟みながら、2時間弱かけました。

 

日本神話の交差点・貴船神社

貴船神社については、ありがたいことに希望者が殺到したため、急きょ日程を追加し、4日目、貴船神社のみの半日コースを追加しての実施となりました。

今回、私がもっともご案内差し上げたかったのは、何層にも重なった貴船の歴史と神話でした。

貴船神社には、京都でも珍しい出雲神楽の奉納があること、一方で皇大神宮(伊勢の天照大神)を祀る磐座があること、更には上賀茂神社の管理下に置かれていた時代が長いことなどをご説明。

結果として出雲、伊勢、大和の神話の総復習のようになりましたが、最も大きい反響をいただけたように思います。

上:朝陽の射す貴船の山並み。

日本の古代史は、日本海側から始まったというのは定説ですが、それは大陸との距離が近く、交流に便利だったからといわれています。

逆にいえば、太平洋側に住んでいた大和の人たちにとっては、他国の領土へ侵入する危険を覚悟しなければ、大陸との交流ができなかったんですね。

昔、長距離の移動は船です。

貴船川や由良川のある大原や貴船は、日本海に出て行くための重要な航路でしたから、そこで生きた人間の物語がたくさん残っているのです。

実は天孫降臨や海幸山幸に関する神話と神社が多くあり、邪馬台国の候補地ともいわれて来たこと(=邪馬台国畿内説)は、あまり知られていないでしょうか。

貴船はまさにこれらの総復習ができるスポットでした。

 

貴船・鞍馬コース参考情報

貴船・鞍馬コースでは、夕方には東京へ戻られる方もおられたため、最後のティータイムを省略し、これにかえて皆でランチをいただきました。

私たちが訪れたのは、鳥居茶屋さんという本宮の脇のお食事処。私の数少ない京都出身の知人に教えてもらったお勧めの場所で、鮎のお茶漬けや鰻玉子丼が人気メニューとなっています。

上:人気メニューの鮎のお茶漬け

貴船は本格的な料亭さんが多く、ランチタイムでも3000~5000円以上の予算が必要ですが、鳥居茶屋さんでは3000円以内で京都を満喫できる美味しいものをいただけるのが魅力。プライベートでも、知人を案内することのあるお食事処です。

お食事にとどまらず、泊りがけで自然の空気を楽しみたい!という方は、鞍馬温泉まで足を延ばしてみるのも良いかもしれません。

日帰り入浴も可能ですが、貴船神社・鞍馬寺のいずれから向かう場合でも、バスで乗り継ぎになりますからスケジュールにご注意を。

 

以上、鞍馬寺と貴船神社の参詣レポートでした。

貴船コース、鞍馬コースに参加いただいた皆様、改めてありがとうございました。

初めての京都ツアーで私自身、段取りが悪くなってしまったなあと反省した部分もございますが、皆様の寛大さに支えられ何とか4日間を終えることが出来ました。心より感謝申し上げます。

参加後にいただいた感想もすべて目を通しており、今後の励みとして参りたく存じますよ。

それでは、本日も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!