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スピリチュアルな視点で考えるお墓の必要性

スピリチュアルな視点で考えるお墓の必要性

本日もお越しくださった皆さま、ありがとうございます。今回の記事は、ブログの読者様よりいただいた「お墓は必要か?」とうご質問への回答でございます。ご供養について迷っている皆さまの一助となれば幸いですよ。

▼目次

(初稿:2019年5月7日)

 

激変する日本の終活事情

先に正直にいうと、お墓が必要か否かという質問について、今の私に結論は出せません。なぜなら、日本の伝統を振り返れば、お墓があることは長らく当たり前のことでしたよね。それを完全にやめたらどうなるかは、先例に記録があまりにも少ないため、すぐの検証は困難だからです。

一方で、今の日本は未曽有の人口減少の時代を迎え、お墓を継ぐ人がいない問題が、全国で起きてきました。墓守のできる人間がいないから、いっそのこと散骨や墓じまいという形で決着を付けたい。そんな気持ちを抱く方も、年々、増えているようです。

先祖供養といえば、スピリチュアルなことに関心の高い人の間では、日々の習慣ともなっていますから、悩ましい状況にある方も多いのではないかと思います。

 

供養の窓口になるお仏壇とお墓

ここからは、私の分かる限りで話しますので、真理ではなくひとつの体験談として聞いてくださいね。

私なりに、お墓やお仏壇があると良いと感じる点をあげますと、それは死者との交流がしやすくなることではないかと思います。

例えば、離れた場所にいる方とお話をするのに、大声で呼びかけるよりも、電話をかける方がスムーズに通信ができますよね。お墓やお仏壇を設置することは、ご先祖様につながる電話機を置くことに似ているように思うのです。

死者の心を慰めるときや、死後の世界からの微妙なメッセージを受け取りたいとき、お墓やお仏壇という窓口があると、ご先祖様の心が生きている私たちに伝わりやすくなるのではないでしょうか。

一方で、プロの霊能者の方たちは、このような設備がなくても、自分の精神エネルギーを利用して、お墓の代わりになる窓口を開いてしまう力があるようです。これが、一般的に降霊や口寄せといわれる技術なのでしょうが、ふつうの人にはこうした特殊な技術を習得することは難しいですよね。

ご先祖様の心に寄り添うことを第一に考えるのであれば、お墓やお仏壇はあった方がよいのではないかと私は感じています。

 

ご供養のために手を合わせるのはなぜ?

先祖供養にかぎらず、神仏についても当てはまる話ですが、そもそもお参りをする意義とは何か、考えたことはございますか。私としては、手を合わせたる行為は、相手と通じる霊的な回路を開く意味があると思っています。

具体的にいえば、お墓やお仏壇にまめに手を合わせている人ほど、ご先祖様の気持ちを汲み取りやすくなるのですね。ご先祖様の側からみれば、ひんぱんにご供養をしてもらうことで、生きている人間へアプローチがしやすいのではないでしょうか。

一般的な死者の念力だけでは、なかなか現実を動かすほどのエネルギーは発揮できないから、生きている人間の方からも気持ちを向けてあげることで、ご先祖様が話しやすい環境を用意してさしあげること。スピリチュアルな視点からいえば、それが手を合わせることの、ひとつの意義であるように思います。

あの世とこの世の回路を開いて行けば、ご先祖様と私たちの心が同調しやすくなりますから、ご先祖様が気付いた注意事項に、子孫の方でも気が付きやすい環境ができます。こうして得られるある種の直観を、総じてご先祖様からの導きとか、ご守護と呼ぶのではないでしょうか。

 

お墓はご供養の舞台装置

こう考えますと、お墓やお仏壇があれば、自然にご先祖様に手を合わせる機会が増えますから、ご先祖様との絆を深めやすいといえるのかもしれません。

私が思うのは、自分と絆のある魂とは、まったく縁のない人よりも、ずっと気軽にコンタクトしやすいということです。生きているうちから養った精神的な絆があると、「あ、これはおばあちゃんの気配だ。」などと、特別な能力がなくてもすぐに相手が分かりますし、心と心がるながること、つまり対話が始めやすいと感じます。

私の場合あまり霊体験はなく、実家の亡くなった祖母2人くらいしか関わったことがないのです。逆にいえば普段さほど感じない人間であっても、身内の霊魂は感じ取りやすいから分かったのでしょう。父方の祖母の死後、数年してからお仏壇に手を合わせた後、夢枕に祖母が出てきて、手を握りながら感謝の言葉をかけてもらったことがありました。

お仏壇以外の場所でも、亡くなった方に呼びかけることはできますが、こうした経験のある私としては、お墓やお仏壇がある方が、心が伝わりやすいのでは?と思っておりますよ。

 

ご供養で伝えるべきは感謝

念のため申せば、これはお仏壇やお墓だけあれば、供養したことになるという話ではありません。ここまでお話したように、これらはご先祖様とつながる電話のようなもので、ご供養の中身とは、電話口で相手に何を伝えるかにあると思っています。

原則、死者とのやりとりは想念で行います。だから、「何を言うか」ではなくて、「どんな心を伝えるか」。私としては後者を重視したいんですね。

魂の電話がつながると、私たちの心がご先祖様に届きやすくなるし、その逆もあるでしょう。生きている私たちが幸せにしていると、それが伝わったご先祖様の感情も和らいで、癒しの相互リレーが始まります。これが、ご先祖様に感謝することの、具体的な方法と意義ではないでしょうか。

積極的なアクションのとれないあの世の魂に、「浮かばれる」気持ちを体験してもらうチャンスを増やす、とでもいえば良いでしょうか。ご供養は死者と生者の両方に、癒しをもたらす習慣であるというのが私の考えですよ。

 

墓じまいが必要なときは

そうはいっても、現実的な事情から、どうしてもお墓を維持できない家庭も、今後は増えてくることが予想されます。そんなときは選択肢のひとつとして、墓じまいが必要になるかもしれません。

そうした場合に、もし生者からできる準備があるとすれば、それは自分自身でご先祖様へ、真摯に事情をお伝えすることでしょう。

墓じまいをしようと考え出したときから、お墓やお仏壇に、「こういう事情で墓じまいをしたく存じます。お墓がなくなってしまうことは非常に残念ですが、どうかご理解くださいませ。」と、なるべくマメに呼びかけておくのですね。また、「お許しいただけるなら、何かお知らせをください。」と申し添えても良いかもしれません。

ご先祖様は、肉体がなくなっていても家族なのです。お参りをして家族会議での了解を得てから、現実的な墓じまいの手続きにあたってみましょう。ご先祖様が賛成してくださっていれば、準備も順調に行くものではないでしょうか。

 

改葬の選択肢もある

それから、霊的には一大事業になりますが、改葬という方法を取る方も増えているようですね。

改葬とはつまり、お墓を別の場所へ移動すること。改葬については、遠方への頻繁なお参りが難しくなってきたとき、荒れ放題になるよりはと決意する方が多いようですが、いくつかの点では墓じまいよりもハードルが高いかもしれません。

ご供養の視点からすれば改葬を行う場合も、お墓を維持する子孫からご先祖様へ、しっかりと事情をお伝えしておくことは大前提ですが、むしろ課題となるのは移動の手続きではないかと思います。改葬を希望する場合、移転先として受け入れてくれるお墓を見つけなくてはならないからですね。

改葬では、立地や墓相が良くて、宗派も同じで・・・とこだわりが増えるほど、なかなか引っ越し先が決まらなくなってしまいます。このため、宗派の変更(改宗)を伴うケースが多くなりますから、ご先祖様への配慮をするなら、新しいお寺やお墓の条件も、改葬の実行前から仏前にてご報告しておくと良いのではないでしょうか。

 

墓じまい・改葬の現実

インターネットで墓じまい、あるいは改葬と検索すると、色々な方法が出てきますが、現実的には檀那寺のご住職と相談したり、役所へ手続きをしたり、必要な手続きがたくさんあります。

この段取りがすべてスムーズに行くこと自体なかなか困難でしょうから、その都度に仏前で状況報告をしながら、ご先祖様に決断を受け入れて頂けるよう、しっかりお参りするのが良いのではないかと思います。

実際、スピリチュアルなことよりも、現実的に大変なことがたくさんあります。私が説明をうかがった葬儀屋さんによれば、特に気を使うのが元の檀那寺との関係で、離檀料の支払いなどはデリケートな問題になりがち。お布施の一種なので、お寺さんによって金額設定がまちまちになる点で、檀信徒からすると不安材料になりやすいのだとか。ご先祖様への報告も事務手続きも、始めから長丁場になると考えておきましょう。

新しいお墓を見つけられるか否か、それ自体もご縁の関わってくる話にはなりますが、最近は、陵墓の紹介と同時に、檀那寺との交渉を引き受けてくれる事業所も登場しているといいます。移転先が決まっていない段階であれば、とにかく一度、信頼できそうな会社へ相談してみることをお勧めいたします。

大手・老舗の運営する終活サイト

全国の霊園を検索できるサイト:
日本最大級のお墓ポータルサイト「いいお墓」

葬儀や供養の電話相談ができるサイト:
創業33年の経験から間違いのない葬儀社紹介「いい葬儀」

全国対応、低価格のシンプルな葬儀【小さなお葬式】

墓じまいについても、代理で引き受けしてくれるサービスが登場しており、希望すれば散骨なども対応してくださる一方、近年人気の派遣による葬儀事業は新規参入する業者が増えており、中にはアフターフォローの手薄な素人事業所もあると聞きました。

永代供養などもお願いするのであれば、費用面での誤解(葬儀代にお斎の費用などが含まれるかなど)がないよう総額を確認し、依頼する会社の歴史や信頼性も見ておきましょう。

 

散骨と死後の影響

最後に、散骨の霊的な影響について綴ります。これも、個人的な考えとして受け止めてくださいね。

散骨とは、ご遺骨を粉砕し海などに撒くスタイルの御弔いで、自然に還る選択として、こちらも人気が出ているといいます。私が思うのは、散骨で最期をしめくくる場合、おそらく通常の埋葬と比べて子孫との死後のコミュニケーションは取りにくくなるであろう、ということ。

それは、電話機になるお墓の存在がないことはもちろん、生前の姿をとどめる遺骨もなくなるからで、霊の側からすると現実世界へ登場するのに、人一倍の精神力が必要と想像できるからです。

散骨で決着をつけるなら将来、ご子孫からスピリチュアルな能力のある方が生まれてきても、交流は難しくなるかもしれません。でも、これは私のようにスピリチュアルなことを気にする人間にとっては意味があっても、価値観の違う人にとっては、取るに足らないことかもしれません。

本当にそれで悔いはないか、孫子のために一歩引く覚悟が決まったか、散骨される当人が自分によく訊いておくことだと思います。

 

先祖供養の参考情報

ご供養と霊魂について、ちょうど先日、寺社ツアーの参加者様とお話をする機会がございました。今の日本人の考え方に多大な影響を及ぼした人物として、今は亡き霊能者・宜保愛子さんの存在は無視できないものがあります。

最後に、ご先祖様とご供養について、特に人気のある著作を紹介致します。タイトルは守護霊となっていますが、親族の霊魂に導きをいただくことを中心に語っておられますよ。

 

以上、私なりの改葬と墓じまいの考え方を紹介いたしました。本日も最後までお付き合いくださった皆さま、ありがとうござました!