ひまし油に関するまとめ 効果・危険・便利な使い方など

皆様、こんにちは。

今日は久しぶりに健康に関する話題を。最近、私が気になっていた「ひまし油」について紹介さしあげます。

民間療法の世界では、ほとんど万能アイテムのように見なされていますね。スキンケア・ヘアケアへはもちろん、ドライアイ対策の点眼、便秘時の下剤まで利用されるといいます。

しかしながら、ひまし油の効果や安全性について客観的にはどう評価されているの?と気になっていました。

国内外の評判について簡単に調査してみましたので、私も気になる!という皆様、よろしくお付き合いくださいませ。

 

▼目次

(初稿:2020年2月14日)

 

ひまし油とは?

ひまし油とは、トウゴマという植物の種からとれるオイルの一種。英語名はCastor oilといいます。非常に重い質感で、水あめのような重量感があるのが特徴です。

キリスト教圏では「キリストの御手」との愛称があるそう。

聖書には、イエス・キリストが手を当てるだけで病を癒す奇跡を行ったというエピソードが登場します。それだけ、ひまし油には癒し効果があると考えられていたのでしょう。

 

ひまし油の海外での使い方

特に海外では、様々な目的で利用されるひまし油。

後で詳しく述べますが、海外では化粧品の添加物としての使用が認められているので、スキンケアはもちろん、ヘアケア製品にも広く利用されています。

海外製品の宣伝文句をみると、ニキビによい、肌が白くなる、などの言葉が並んでいました。珍しいところでは、育毛にも使えるという評判があるらしく、薄毛やまつげトリートメントに利用されているケースも。

(更に日本ではここから連想したのか、シミやしわ取りになるとの噂もあるようです。)

ところが意外なことに、ひまし油がこれらの悩みに効くという医学的な根拠は、英語圏の情報でも確認できませんでした。

あくまでも民間療法の世界にかぎり、髪や肌によいとされているようです。

海外では美白効果よりも、ニキビのように炎症を起こした状態の肌に有益と謳われることが多い点も、日本での評価との違いといえそうです。

 

ひまし油の真実の評価は

ひまし油は海外でよく利用されており、特にアメリカで人気があります。

日本語で書かれた記事も、ほとんどはアメリカの民間療法の考え方に基づいて、ひまし油の効果や利用方法を紹介していますよね。

でも本当のところ、ひまし油は医学的にはどんな評価を得ているのでしょうか。ヒントになりそうなのが、海外のひまし油の宣伝に添えられている、以下のような公的組織の存在です。

USDA:アメリカ合衆国農務省

こちらは、ひまし油を使った製品の説明に、比較的よく登場する名前。ただし、実際は農業生産に関する管理組織ですので、ひまし油自体の効果や効能とは関係がない点に注意が必要です。

USDA認証とされている商品の良いところは、米国が求めるオーガニック栽培の基準を満たしているという点でしょう。

 

FDA:アメリカ食品医薬品局

FDAは、日本でいうところの厚労省のような組織。本来、健康に関する効果や効能を認定するのは、FDAの仕事です。

つまり、化粧品としても健康食品としても、本当に医学的な効果があるか否かは、FDAの評価を確認する必要があるのです。

 

美容効果はない?ひまし油の評価

FDAのデータベースを検索すると、医学的にひまし油の効果を認めた情報は、ほぼ出てきません。医学的に有効と認めらているのは、下剤として使う場合のみです。

他には、食品や化粧品の添加物としての安全性であれば確認されているといいます。利用可能な 添加物の一覧 に「ひまし油」が掲載されていました。

しかしながら、安全性=治療効果、美容効果ではないことに注意が必要です。一般的なオイル同様、保湿効果であれば期待できるかもしれませんが、ひまし油が特別と考える根拠にはなりません。

ひまし油でニキビが治る、美白やシミ取りになる、育毛できる・・・こんな口コミがあるのは事実。でも、個々の口コミに期待しすぎると「本当は効果がないんじゃないの?」なんて失望することもあり得ます。

 

ひまし油を使うなら順番が大事?

私が見つけた情報のうち唯一、美容と関係すると思われたのは、2007年に発表された論文に登場する、次のような記述です。

この論文は主に安全性を評価するものですから、残念ながら有効性を強調する結果ではありません。

しかし、概要の12行目あたりに、他の化学物質の経皮浸透を促進する可能性がある、という言葉がありました。

この通りであれば、有効成分を浸透させるための、サポートにはなる可能性があります。1件の論文では最終判断はできないものの、美容効果と関連しそうな記述は他にはありません。

ここから推測するのであれば、スキンケアのベースとして使用し、後から有効成分の含まれる美容液などを補う、というのがひまし油の賢い使い方かもしれませんね。

 

ひまし油の使い方いろいろ

私がひまし油に興味を持ったのは、アレルギー性の湿疹に悩んだことがきっかけでした。

ニキビと似た、痛みのあるブツブツが顔や頭皮、体にもできてしまったので、少しでもマシになるケア用品を探していたんです。

私自身、すでに500ml瓶の半分ほどを使い終えたのですが、個人的にはひまし油を単体で使うより、他のサラサラしたオイルと混ぜる方が使いやすいかなあと思いました。

この方法だと、少しずつしかオイルが減りません。初めて試す方でしたら大容量サイズの製品は避けて、 小さいサイズ から試す方が良いかもしれませんね。

スキンケア向けの使い方

スキンケアとして使う場合、まずお勧めしたいのはクレンジング。市販のクレンジングオイルは洗浄力が強く、洗った後かえって肌を乾燥させてしまう時がありますよね。

そんな時、市販のクレンジングオイルに、同じくらいの量のひまし油を混ぜると洗いあがりがしっとりします。

ひまし油と一緒に使うクレンジングオイルは、どんなものでもOK。市販品にはあらかじめ界面活性剤が入っているので、オイルを足しても分離すことなく、きれいに混ざるんです。

万が一、油っぽさが残る気がしても、市販クレンジングオイルを少し足せば、ふつうのクレンジング同様、水やお湯で落とすことができますよ。

メイク落としではなく肌自体のケアに使う場合は、他のスキンケア用品の下地にする使い方も、私のお気に入りです。

ひまし油100%だとドロドロして扱いが難しいので、スキンケアのときも単体では使わず、 カレンデュラオイル という別の植物性オイルと混ぜてから肌に塗っています。

具体的には、洗顔→オイルをうすく肌に伸ばす→スチーマーや蒸しタオルで浸透させる、という順番です。

この方法だと、肌表面の余計なオイルを取り除けるだけでなく、重たくなりがちなひまし油が肌になじみやすくなる利点があります。しっかり浸透させるためか、これだと時間が経ってからも肌の柔軟さが保たれる感じがしています。

この使い方だと、まつ毛も一緒に保湿されるので一石三鳥かもしれません。私自身は、まつ毛が少し丈夫になった気がしました。

前述の カレンデュラオイル はビタミンEなどの有効成分を豊富に含むとされ、傷跡や妊娠線のケアによいという評判があります。

参考: WELEDAオンラインストア

 

ヘアケア向けの使い方

ひまし油をヘアケアに使う方の多くはヘアパックにするとのこと。しかし、残念ながら私には髪への使用は合いませんでした。

というのは、ひまし油の質感が重すぎるのです。

少しだけ毛先につけようとしても、ベタっと広がるので薄づけができない。重い分、浸透までに時間もかかるのか、髪の表面に油が浮いているような感じがしてしまいました。

ヘアケア用品としての評価が分かれる原因は、髪質にもあるかもしれません。私自身、髪が太くて多いタイプなので、髪にオイルを行きわたらせようとすると自然に付けすぎてしまう気がします。

実際、欧米人(いわゆる白人は、細い柔らかい髪質の人が多い)とアジア人の髪質は違うといわれます。人種による髪質の違いも、ヘアケア製品としての評価が日本と海外で変わる理由になっているかもしれません。

毛量の多い人は、市販のトリートメントに少し混ぜる程度でちょうど良いのではないでしょうか。なお私自身はこれまでのところ、ひまし油が原因と思われる頭皮へのトラブルはありませんでした。

 

ひまし油と民間療法の世界

医学的には確認できなかった、ひまし油の美容効果。それなのに、なぜ万能薬のように称賛する声が絶えないのでしょうか?

調査を続けると、登場したのはアメリカの民間療法の世界でした。

アロマやリフレクソロジーが大好きな英国、ご祈祷や呪いで難を逃れようとする日本では、もともと古代信仰の名残として民間療法が根付きやすい環境がありますよね。これとは全然違う文化を持っているアメリカがひまし油の本場というのは、私には意外な事実でした。

アメリカ国家は新しく、歴史が短い。だからこそ新しいものを取り入れて発展してきたので、本来、民間信仰的なものは信用されにくい印象があったのです。

しかし、そんなアメリカ的な価値観を壊して、一世を風靡した霊能者がいました。眠れる予言者、エドガー・ケイシーです。

簡単にいうと、ひまし油の使い方の定番になっている、ひまし油湿布 を考案した人物ですね。

 

ひまし油とエドガー・ケイシー

ケイシーが登場したのは、世界大戦の時代。戦争に関する予言や、病気の治療方法について、霊的な助言をしたことで知られています。

ケイシーの場合、眠っている間に彼の守護霊が出て来て、相談者に色々な助言をしたといいます。

当時の記録によれば、ケイシーの守護霊はエジプトの医師と名乗ったとか。ケイシーに憑依したエジプトの医師は、現代医学の常識とは異なる立場から、広く独特のアドバイスをしました。

中でも際立って有名なのが、ひまし油を使った湿布だったといいます。

これは、ひまし油で脇腹を温湿布するという単純な方法。現代医学では治療の難しい患者さんに対し、ケイシーが広く勧めたのが、ひまし油の湿布だったんですね。

ただし、ほとんどの例で直接の治療効果を謳っておらず、排泄をよくして体質改善をする=結果的に症状を改善する、という原理で説明されていました。

エドガー・ケイシーの残した言葉については、専門組織が記録を保存しています。

参考:エドガーケイシーのリーディングに関する書籍

 

ひまし油湿布の効果は?

ひまし油湿布については、体質改善できるという噂があったので、私も一度試してみました。アレルギー体質の改善が目的でしたが、残念ながら準備が大変で続きませんでした。

なので、長期的な結果の口コミはできないのですが、体を温めることの良さを思い出す経験にはなりました。温湿布もお腹を温めるので、冷えが軽減する感じがあったんです。

私自身は、野口整体という別の健康法も試していることがあり、冷え対策ならより手軽な足湯(熱めのフットバス)で良いかな?と思いましたが、こまめに続けられる方なら、また違う感想になるのかもしれません。

もし、自分でも試してみたい!という方は、ひまし油湿布の 市販セット も販売されています。

ただし、ひまし油湿布の目的は脇腹のオイル湿布を一定の時間温めること。なので、必ずしも市販のセットを購入する必要はありません。

専用ヒーターではなく、カイロなどで代用する人もいるそうです。

 

ひまし油の効果と危険性まとめ

ひまし油の効果と危険性について、客観的な事実からまとめれば、次のようになるでしょう。

ひまし油の安全性

総合的にみると、ひまし油をスキンケアやヘアケアに利用することに、特別なリスクはないようです。下剤や添加物としてであれば、FDAも使用を許可しています。

前述の海外の論文などを見ると、スキンケア製品としても低刺激であると確認されているようです。

一方、ニキビに効果的との宣伝文句とは裏腹に、既に皮膚に異常がある方の使用については、公的には推奨されていません。これは英語文献よりも、国内で販売されているヒマシ油の注意書きを見た方が分かりやすいでしょう。

 

ひまし油の効果

海外ではニキビ肌向けの化粧品に、ひまし油を配合しているものを多く見かけました。ただし、ニキビの治療に効果があると判断できる、医学的な根拠は出てきません。

海外でも国内でも、あくまでも民間療法の延長線上にあるアイテムとして扱われているのがひまし油の実態のようです。このため、医学的にはスキンケア、ヘアケアのどちらにも効果がないと感じる方がいても、何ら不思議はないといえます。

ひまし油の製品レビューには、薄毛対策、しみ取りなどと色々な噂が集まっていますが、過剰な期待はしない方が良いでしょう。

ただし、下剤としての効果であれば、日米で認められた実績があります。刺激の強そうな化学的薬品から、自然派の便秘対策に切り替えたい――こんな場合であれば、利用を検討しても良さそうですね。

私自身が使用してみた感想としては、とにかくオイルの質感が濃厚なので、普通の保湿では物足りない!という方に喜ばれそうなアイテムかなと思いました。

 

最後に、ひまし油については情報の出どころが海外にあることが多く、日本語だけでは信頼できる情報が得にくいというのが、私の印象です。

民間療法の世界にはあまりにも色々な噂があるため、判断は難しいところがありますが、客観的なレビューも考慮しながら、上手に付き合っていけたらいいですね。

以上、ひまし油について個人的な調査のまとめでした。

本日も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!

1件のコメント

コメントを残す