江戸っ子の愛したお不動さん【成田山東京別院・深川不動尊】

皆さま、こんばんは。今回は、久しぶりに寺社の紹介記事を公開致しますよ。

東京の成田山別院深川不動堂(深川不動尊)について、皆様の参拝の参考となれば嬉しく存じます。

よろしくお付き合いくださいませ。

▼目次

 

(初稿:2017年7月18日、最終更新:2019年8月25日)

 

成田山のお不動様の縁起

成田山別院のお名前の通り、こちらは千葉県の成田山新勝寺の出張所のような存在。

成田山のお不動様は、その昔、平将門が新天皇になろうと反乱を起こしたときに、これを鎮める目的で、京都から運ばれて来ました。

新勝寺の御本尊は、弘法大師空海が開眼した、霊験あらたかなお不動様として知られておりますね。

深川不動尊さまでは、成田から勧請した、いわば御分身をお祀りしておられます。

 

深川不動尊の護摩祈祷

深川不動尊さまでは、毎日、2時間おきに護摩祈祷を行っておられます。

【通常の開始時間】9時~、11時~、13時~、15時~、17時~。

見学だけでしたら、予約なしの一般参詣者であっても、お座敷で拝見することができますよ。

お不動様の護摩祈祷は、炎の中であらゆるものを燃やし尽くし、浄化するための祈りの儀式。ある面では煩悩ともいえる願い事を火炎で清めて、参加者の所願成就を祈念してくださいます。

正式な申し込みをした場合、お護摩の後に御札をいただけます。

護摩焚きの途中、手荷物を煙にくぐらせる火加持も人気がありますよね。こちらは、参列のみでも受け付けていただけます。

ただし、お願いするときはタイミングを見て、さっと並ぶ必要がありますから、参加希望の場合、前の方の席へお邪魔する方が良いかもしれません。

 

御本尊・不動明王と倶利伽羅龍王の関係

私は千葉県の出身なので、成田山新勝寺には小さい頃から毎年、初詣に行っていました。今でも、年末年始に帰省するときは、家族の恒例の行事として、必ず成田山へ初詣に行きます。

東京にも成田山があるとうかがったので、いちど訪れて見たいと思っていたところ、先日ようやくお参りに行くことができました。

成田でも深川でも、お参りをしてみて感じることは、こちらのお不動様は「龍神」としての性質が強いなあ、ということ。

成田の新勝寺を参拝したことのある方はご存じのように、境内にはたくさんの倶利伽羅龍王(くりからりゅうおう)の姿が見られます。

倶利伽羅龍王は龍神様であると同時に、お不動様が手にする剣の化身でもありますね。

この夏に深川不動尊さまを参拝した時も、上空に龍神様の気配を感じ、同じ日に日輪を目撃しました。虹は、龍の化身といわれます。

仏教の訓えでも、スピリチュアルな感覚からとらえても、龍を感じるパワースポットであるように思います。

 

深川不動尊の見どころ

私の場合、通いなれた成田山新勝寺の方は馴染んでいるため、かえって何も感じないところがあるのですけれど、深川不動尊では、「お寺に来たなあ」という感慨がありました。

成田と比べれば敷地が広い訳ではありませんが、ひとつのお堂の中に、色々な仏様や梵字が集まっているので、仏教寺院にいる感慨があるのです。

(見どころ多い場所ですが、門の内側は撮影禁止とのことで、本記事にも門前からの一枚のほかは、境内の写真がございません。お許しを。)

特に初めての参拝の場合、迫力の護摩祈祷は、ぜひ参列していただきたい、一番の見どころ

本家の成田山に劣らぬ、勇壮な太鼓が見事ですので、できれば時間を調整してお邪魔してみてくださいね。

お護摩の他にも堂内には、生まれ年の干支に基づく守護本尊など、いくつかお参りできるお部屋がございますよ。

なお、参道には下町らしい古風な和菓子屋さんや、和装小物のお店が並んでおり、こちらも見どころ満載です。

 

個人的なお勧め「お願い不動尊」

成田山は、本格的な密教寺院らしい迫力の門構えと、仰々しくはない親しみやすさの感じられるお寺。

弘法大師さまの、一切衆生を救済する、という願いが引き継がれているのかもしれません。

深川のお不動さまにて、個人的に面白いなあと感じるのは、ここの旧本堂に鎮座している「おねがい不動尊」さま。

迫力があって親しみやすい、成田山のカラーをしっかり感じられる仏様だからです。

更に実を言えば、私は昔、お不動様に関する不思議な体験をしたことがありまして、その時に力を貸してくださったのが、このお願い不動尊さまではないか、と思っているのです。

私のような一般人に対しても、惜しみなく守護をくださる優しいお不動さんなのではないでしょうか。

通常、お不動様を含めた明王と呼ばれるグループの仏様は、鬼神や悪鬼を統べる、厳格なイメージで語られますね。どちらかといえば、いかつい印象の方が多いのでしょう。

一方、お願い不動尊さまは、どこか聞き上手な雰囲気がありました。

普通であれば、お不動さんが片目を眇めているのは、睨みすえる表情といわれます。

お願い不動尊も片目を細めているのですが、この方の場合は睨んでいるというより、まるで人間の欠点に片目を瞑ってくださっているよう。不思議とユーモアを感じる方でしたよ。

 

霊場を支える祈りの力

ちなみに、ここの本堂の位置は、富岡八幡宮の七渡神社付近へ流れる、エネルギーラインの上流にあるようでした。

寺社が建つべくして建った土地なのかもしれませんね。人間が日常生活する場の中心にありながら、清らかさを保っている秘訣は、お参りする方の祈りの力にもありそうです。

お座敷まであがるとよく分かるのですが、観光目的のひとばかりでなく、本当にお不動様への信仰心で通っているのだなあ、と感じる真摯な参詣者が本当に多い場所でした。

集まる人間の念は重要であると、改めて教えてくれる仏教パワースポットといえる場所ではないかと思います。

 

お不動様をもっと知りたい方へ

最後に、いつも通りお不動様が好き!という方のために、参考となりそうな書籍を紹介いたします。

【その1】

こちらは、お寺の講員さま向けの法話がもとになっているという、お不動様の入門書。密教の歴史をふまえた深い内容でもありながら、初学者にも分かりやすくお勧めです。

【その2】

お不動様を含めた、仏様のお姿に興味のある方には、こちらのような解説書も。仏教の象徴である仏像について、仏様のポーズの意味などを詳しく理解したい方向けです。

 

以上、成田山東京別院・深川不動尊の参拝日記でした。

本日もお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!

1件のコメント

  1. いつもいろいろと、ご紹介ありがとうございます。私も深川不動尊は、炎の中に龍神のお姿が現れる寺院と感じており、護摩祈祷に一般参列するだけでも身体が軽くなる経験を何度もしております。お願い不動像の後ろ側の本殿の天井絵の大日如来さまの温かいお姿が好きです。

    MDF
    1. いつもお世話になっております。
      お不動様の霊場はいくつもありますが、私も成田山系のところは特に好きですね。
      気づかないうちに、すれ違っているのかもしれませんね。
      私もまた、お不動様と大日如来様を拝みにうかがいたいと思います。

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