天橋立・元伊勢籠神社の参拝ガイド

皆様、こんばんは。

本日は天橋立の籠神社(このじんじゃ)さまについて、実際に参拝してみたい方向けに参考になりそうな情報をまとめました。

神社仏閣には自分で足を運びたいという方、日本神話に興味のある方、よろしくお付き合いくださいませ。

▼目次

(初稿:2019年7月28日)

 

籠神社とは?

籠神社は、彦火明命(ひこほあかりのみこと)を主なご祭神とする、日本でも有数の古い神社です。伊勢神宮と非常にゆかりが深いことで知られています。

現在の三重県伊勢市にたどり着く前、伊勢神宮は引っ越しをしたといわれておりますが、その引っ越しの途中、一時的に静まったのが今の籠神社の土地でした。当時は吉佐宮(よさのみや)の名前で呼ばれていたようです。

更に現在の外宮の神様、豊受大神もまた、もともと籠神社に祀られていた神様といわれます。つまり、伊勢の外宮と内宮、両方の神様が鎮まっていたことのある土地なのですね。

こうした伝説から籠神社は「元伊勢籠神社」の相性でも知られるようになりました。

平安時代にまとめられた延喜式という神社の台帳によれば、丹後国一の宮という格式の高い神社にも選ばれているそうです。

【参考】元伊勢籠神社さまHP

 

凄すぎる籠神社の歴史

国宝になった家系図

籠神社の宮司さんは代々、海部氏という一族が継承して来ました。海部氏は、天照国照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかりのみこと)の子孫といわれています。

つまり籠神社では、ご祭神の子孫が未だに祝部(ほうりべ=神官さん)を今でも務めておられるのですね。現在の宮司様は、海部氏の第82代目の子孫だそうです。

驚くべきことに、籠神社にはこれを証明する記録として、家系図が伝わっているといいます。この家系図は、現存する日本最古の家系図といわれ、国宝指定も受けているそうですよ。

 

ご神宝:息津鏡と邊津鏡

もうひとつ籠神社に伝わる重要な宝物が、息津鏡(おきつかがみ)と邊津鏡(へつかがみ)です。

いわゆる銅鏡なのですが、なんと約2000年前のものと推定されているそうで、これも日本最古だそうです。

天孫にいただいた鏡と伝わっているそうですから、ごく古い時代からご皇室とも縁のある神社であったのでしょう。

ご神宝のことなど詳しく知りたい場合、籠神社さまの先代の宮司様が本にまとめておられます。秘蔵資料に基づき、学会の見解とは異なる角度から神様のお話をしておられるそうですが、インターネットでは値段が高騰しているので注意。

天橋立・籠神社へのアクセス

公共の交通機関でお参りしたい方のため、アクセス方法を紹介します。

籠神社は駅からは離れているので、徒歩ですと長めのウォーキングコースになりますから、ご注意くださいませ。京都と行っても、天橋立の位置するのは丹後で、京都市内ではありません。

日本三景で知られる通り定番観光地のため旅館は多いのですが、宿のほとんどは籠神社から離れた地域にあるので、移動手段としては車の方が断然便利だと思います。

【天橋立までのアクセス】

最寄り駅:京丹後鉄道天橋立駅

【天橋立駅から籠神社へのアクセス】

汽船:12分程度
徒歩:1時間程度
路線バス:丹後海陸交通5または9系統にて30分弱。ただし、バスを使うと阿蘇海を迂回するため、天橋立を渡ることができないため、ご注意ください。

【参考】丹後海陸交通の公式HP

(※伊根線の時刻表、天橋立駅~元伊勢籠神社ダイヤを参照)

 

籠神社の奥宮・真名井神社

籠神社から徒歩5分程度、裏手の緑生い茂る中に、真名井神社と呼ばれる神社があります。

こちらは籠神社の奥宮とされており、もともと吉佐宮などと呼ばれていたのはこの奥宮の方であったようです。元宮のような存在ながら、今でもご神体となる磐座があるため、奥宮として神社が残っているのですね。

伝説によれば、ご祭神である豊受大神が最初に祀られていたのも、奥宮の地だそうです。

真名井の名前を聞いてピンときた方もおられるかもしれませんが、古事記に登場する天の真名井は、天照大神と素戔嗚尊が誓約(うけい。=占い)をした場所とされていますね。

真名井の名前のとおり、奥宮の入口にはご神水の湧き出る磐座がありました。

なお、籠神社には特別な伝承があり、こちらの真名井は神様の誓約の舞台であった訳ではなく、神様の世界から地上へ持ち込まれた水を遷したところ生まれた井戸といわれているそうです。

このとき、天上から下界へ水を運んだのが、天村雲命(あめのむらくものみこと)という神様。この方も、籠神社の宮司様のご先祖であったそうですよ。

 

賀茂社だけではなかった?籠神社の葵祭

京都市内の上賀茂神社、下鴨神社には葵祭という有名なお祭りが伝わっています。神様の誕生を祝う神事ともいわれる葵祭ですが、実は籠神社にも「葵祭」の名で呼ばれる古い祭祀が伝わっているそうです。

賀茂社との最大の違いは、お祭りのときに使用する髪飾りを、双葉葵ではなく、籠神社では藤の花とするところ。このため藤祭の名前で呼ばれることもあるといいます。

籠神社の葵祭の儀式の中でも、特に珍しいとさるのが、太刀振り神事と笹ばやし。笹ばやしについては、なんと弥生時代の農耕社会の様子を今に伝えるものではないか、というほど古い歴史があるそうです。

現在の葵祭は、毎年4月に行われることになっているそうですので、興味のある方は日程をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

周辺の見どころ

天橋立神社

若狭湾を横断する架け橋型の陸地(天の浮橋とも呼ばれます)の途中に、天橋立神社というお社があります。小さな神社ではありますが、天橋立自体を散策したい場合は立ち寄ってみても良いかもしれません。

成相寺

籠神社とならび、天橋立の定番スポットとなっているお寺。美人観音、身代わり観音など観音様が有名です。傘松駅というところから、20分間隔の登山バスあり。

おまけ:海の京都・伊根

天橋立からアクセスしやすい、もうひとつの伝説の里が伊根市です。天橋立駅から籠神社へ向かう路線バスと、同じ路線でめぐることができるので、足を延ばしてみても良いかもしれません。

こちらは浦島太郎伝説の発祥の地であるほか、徐福伝説、鬼伝説の舞台ともいわれているそうです。

浦島太郎の物語の中には「竜宮」など、古事記に登場するモチーフの原型があるといわれ、歴史が記録される以前の時代を偲ぶことのできる地です。

 

以上、元伊勢籠神社さまの紹介でした。

本日も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!

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